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#1270/1770 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/18 22:40 ( 79) ニツコー>66Q&A41番              三鷹板吉 ★内容 41.死体を穴の中で焼却できるのか? *IHRの主張(オリジナル版)  できない。この方法で人間の死体を炎で完全に焼きつくすことは不可能だ。戸外 の穴では十分な熱を起こし得ないからだ。 *IHRの主張(改訂版)  できない。この方法で人間の死体を炎で完全に焼きつくすことは不可能だ。酸素 が不足するからだ。 *ニツコーの回答  熱か酸素か、どちらなのだ?  この件についてホロコースト否定者がそうあって欲しいと望んでいることとは裏 腹に、このような焼却が現に行われたというのが単純な事実だ。事実、穴で死体を 焼却している有名な写真が存在する。それはアウシュビッツ・ビルケナウ収容所か ら密かに運び出されたものだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *三鷹の感想  「有名な写真」とは、「夜と霧」の巻末に写真22番として収録されているもので す。地面に大量の裸の死体が横たわり、その向こうにもうもうたる炎と煙が上がっ ています。周りに作業中とおぼしき7人の男性が写っています。「夜と霧」のトリ ミングでは分かりにくかったのですが、「ホロコースト全史」(マイケル・ベーレ ンバウム 創元社)p.313に収録された同じ写真を見ると、暗い屋内から戸口越しに 明るい戸外を隠し撮りしたものだとハッキリ分かります。  この写真がどうやって撮影され、いかにして収容所外へ持ち出されたか、「『夜 と霧』をこえて」(大石芳野 日本放送出版協会)p.201-204で簡単に紹介されてい ます。それによれば、ダビッドという名前のポーランド系ユダヤ人囚人が撮影した もので、アウシュビッツ収容所のSS専用病院の看護婦長をしていたオーストリア 人女性シュトロンゲリエル・マリアの手によって1944年半ばに収容所外に持ち出さ れ、レジスタンス組織により世に出されたとのこと。関係者の姓名表記に統一が無 いあたりが、ちょといい加減ですが、一応の事情は分かります。(この本は姓名表 記の確認がずさんで、他の箇所でも、トレブリンカ収容所の副所長だったクルト・ フランツを「フランツ・クルト」と表記したりしています)  ちなみに、そのオーストリア女性の名前の「マリア」は姓ではなく名でしょう。 シュトロンゲリエルという、ちょと聞きずらい名前が姓で、姓名をドイツ民族の通 例と逆に書いているのか、シュトロンゲリエルがファーストネーム、マリアがミド ルネームで、姓を省略してるか、はたまたシュトロンゲリエルというのが通り名で 「***のマリア」てな意味なのか、三鷹にはちょと判断がつきません。とまれ、 つっこんで調べれば、より詳細な事情が分かるでしょう。  この写真を巡っては、三鷹は西岡さんと何度か「論争」しています。最初に三鷹 がこの写真のことを取り上げた際に、西岡さんは「人形を並べて撮ったトリック写 真の可能性」を示唆しました。西岡さんに言わせれば、「ネッシーにもUFOにも 写真が存在する。写真があるからといって事実とは限らない」とのこと。  なるほど、確かにその通りなのですが、トリック写真をトリック写真と断定する には、科学的分析によってトリックを暴かねばなりません。有名なネッシー写真で は周囲の波の大きさと形が決め手でした。北朝鮮の金日成&正日のツーショット写 真のように、光線の当たり方の不自然さにより複数の写真の合成であると分かる場 合もあります。UFO写真のほとんども科学分析によって誤認もしくは捏造である ことが確認されています。  ところが、西岡さんが写真を「トリックだ」とするにあたっては、写真それ自体 に対する何の分析も示されておらず、ただ「戸外での死体焼却は不可能だから」と の一点が「根拠」なのでした。これでは何を根拠に何を証明しようとするのか、堂 々巡りとなってしまいます。  二度目にこの写真のことが取り上げられた際に、西岡さんは「ベルゲン・ベルゼ ン収容所でのイギリス兵による死体焼却シーンを撮った写真を、アウシュビッツ・ ビルケナウでの写真と偽った可能性」を示唆しました。その根拠は、作業員が被っ ているのがイギリス兵の制服であるベレー帽のように見えるから、とのこと。  三鷹の知る限りでは、ベレー帽は当時のヨーロッパでごく一般的に着用されてお り、イギリス軍の専用ではありません。また、西岡さんが示唆するところが事実だ とすると、イギリス軍とポーランド共産主義政府との間に、戦後ずっと緊密な協同 関係が存在した、ということになります。イギリスの退役軍人が「あの有名な写真 に写ってるのは実は俺なんだ」など洩らせば、簡単にバレてしまうからです。冷戦 期のことを考えれば、イギリス/ポーランド間にそのような協同関係があったなど、 ちょと考えられません。いかにも「国際ユダヤ陰謀論」が喜んでとびつきそうな説 ですが(笑)