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#1309/1770 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/14 3:54 (103) ニツコー>66Q&A62番(その1)         三鷹板吉 ★内容 62.「ホロコースト」に疑問を呈するものは反セム主義者もしくはネオナチである という主張についてはどうか? (三鷹注:反セム主義(anti-Semitism)のセムというのはユダヤ人のことですの で、反ユダヤ主義と訳してもほとんど違いはないようです) *IHRの主張  これは、事実と誠実な議論から、注意をそらそうとするための中傷である。「ホ ロコースト」があったという主張に反駁する研究者たちの政治信条は多種多様だ− −−民主党支持者、共和党支持者、自由主義者、社会主義者、クリスチャン、ユダ ヤ人、などなど。「ホロコースト」への反駁と、反セム主義もしくはネオナチズム との間に相関関係は無い。事実、ユダヤ人研究者の間でも、「ホロコースト」があ ったとする証拠は非常に不足している、とおおっぴらに認める人間が増えつつある。 *ニツコーの回答  ホロコースト否定と反セム主義/ナチズムとの間には、きわめて強い相関関係が 存在する。このことを否認するのは、ホロコースト否定の出所がどこか分からない ようにするための、巨大な嘘である。  何百もの実例が提示可能だが、そのうちいくつかを示すにとどめよう。 *IHR、より正確にはIHRの母体となった団体の創始者は、ウィリス・カルト (Willis Carto)である。カルトは「リバティー・ロビー」と呼ばれるもう一つの グループを率いている。連邦判事ロバート・ボークは、リバティー・ロビーが反セ ム主義の「中核であり、事実それを意味している」と宣告した。  ウィリス・カルトは、ヒトラー、ユダヤ人、黒人について何と言っていたか、以 下に示す通りである(1971年9月10日付「ナショナルレビュー」p.979を見よ)。    ヒトラーの挫折はヨーロッパの挫折だった。そしてアメリカの挫折だった。   どうして我々は今まで目を塞がれてきたのだろうか? その責任は、国際ユダ   ヤにあるに違いないようだ。ドイツが何をやったのかについて、西側の目を塞   いできたのは、国際ユダヤのプロパガンダであり、嘘であり、彼らがそれを要   求したからなのだ。    ユダヤ人は「公衆の敵ナンバーワン」の一番手だったし、今もなおそうなの   だ。    アフリカのニグロ化が避け得ないことについて、ごく少数のアメリカ人しか   案じないように、革命主義者たちは取り計らってきた。 *IHRは近年、グレッグ・ラビン(Greg Raven)に率いられている。ラビンは19 92年に、ヒトラーは「偉大な人間であり…チャーチルとルーズベルトを合せたより 確実に偉大で…ドイツ起き得た最良のことに関してそうだった」と、公の場で述べ た。ラビン氏はhttp://www.kaiwan.com/~ihrgreg/misc/smear1.html.で、自分のヒ トラー観についての追加説明を用意している。 *世界でもっとも有名なリビジョニストの一人エルンスト・ツンデル(Ernst Zund el)は、厚顔無知な自称・国家社会主義者(ナチ)である。ツンデルはジョージ・ ダイエッツ(George Dietz)との共著で、フレドリック・クリストホフ(Friedric h Christhof)というペンネームを使って「我々が愛したヒトラー、その理由」と いう本を書いている。ツンデルの友人ミシェル・ホフマン(Michael Hoffman)の 「大ホロコースト裁判」(1985年 p.8)という本によれば、ツンデルのフルネーム は、エルンスト・フレドリック・クリストホフ・ツンデルなのだ。 (フレドリック・クリストホフ名義の他の出版物の中には、「ヒトラーの南極UF O基地の調査」を組織しようとするパンフレットも含まれている) (三鷹注:ツンデルは、UFOはナチスの秘密兵器だったという珍説を流布してお り、日本でも矢追純一あたりがネタ本にしています。欧米でホロコースト否定説を 信奉しているのが、はたしてどの程度の教育水準の人々なのか、かいま見えるエピ ソードですね)  「我々が愛したヒトラー、その理由」に関しては、ツンデルは「写真を提供した」 だけであり「大部分がダイエッツの著作」だとホフマンは主張している。(p.72)  それでも、ホフマンによれば、以下のことが分かる。(p.74)    (ツンデルは)自分は、国家社会主義者が第二次大戦中に残虐行為をいくつ   か犯したことを、自由状態で認めた最初の人間だった、と法廷において述べた。   だが、ツンデルにとって、ヒトラー党のまぎれもない根本的な善良さこそが、   否定しえないものであった。 (三鷹注:つまり、戦犯裁判において罪業を認めたナチは全員「自由状態」ではな く、拷問などの強制を受けていて、彼らの自白や証言は偽証だった、とツンデルは 主張しているのです) *そのミシェル・ホフマンは、カルトの新聞「スポットライト」紙のメディア批評 として、「スケプティック・マガジン」の出版者ミシェル・シェルマーに公開書簡 を出し、以下のように質問した。    私がイスラエルとパレスチナ人に関して、「フィンクルシュタインの小便」   をひっかけたと想像してほしい… (三鷹注:原文はFinklstein's Piss。Finkはアメリカ俗語でスパイとか裏切者と かの意味で、ナントカsteinというのはユダヤ人によくある姓(アインシュタイン など)なので、「裏切りユダ公のションベン」てな意味でしょうか。ユダヤ人に対 する侮蔑表現であるのは間違いないようです)  ホフマン氏はシェルマー博士に、彼が「真正の知識人のふりをした白痴野郎」だ と知らせようとしたのだ。彼の手紙には、ユダヤ人を露骨な戯画化で描いたステッ カーも含まれている。以下のような文句をつけて。    600万人を忘れるな! 600年間は!…思想犯罪防止:選ばれた吹き出物への   礼拝と服従 (三鷹注:選ばれた吹き出物Chosen PimpleはChosen Peopleすなわち神の選民=ユ ダヤ人のもじりでしょう。これもユダヤ人に対する侮蔑表現) (この項つづく) #1311/1770 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/16 10:53 (148) ニツコー>66Q&A62番(その2)         三鷹板吉 ★内容 *著名なホロコースト「リビジョニスト」(アーヴィング(Irving)、フォーリソ ン(Faurisson)、ツンデル)は、ヨーロッパでのネオナチ集会や大会に姿を見せ ている。そこで彼らはジークハイル(三鷹注:ナチス式バンザイ)をする暴漢ども の前で演説した。 *ホロコースト否定の著作者フレドリック・バーグ(Friedrich Berg)は、COD OHのための推薦文の中で、ユーズネットで以下のようなコメントをなした。    カウフマン氏は明らかにユダヤ人であり、なぜナチスがユダヤ人をヨーロッ   パから除去しようと試み、除去できなかった残りを戦争の期間中強制収容所に   入れたかという理由を示す、生きた見本である。 (三鷹注:CODOHとはCommittee for Open Debate on the Holocaustの略称。 「ホロコーストに関する公開討論委員会」という名称はもっともらしいものの、そ の実態はホロコースト否定者の一人ブラッドリー・スミスが主宰する、「討論」な らぬ「否定」を目的とした組織です。IHRやツンデルとは一つ穴のナントカと言 えましょう)  バーグは他にも同様の反セム主義的、ナチス弁護の論をなしているが、ここに転 載するほどの価値はない。グレッグ・ラビンのウェブ・サイトで入手可能なインデ ックスによれば、バーグは少なくとも3本の記事を「ジャーナル・オブ・ヒストリ カル・レビュー」(三鷹注:IHRの機関誌)に書いている(バーグの妻は最近ま で翻訳者としてIHRで働いていた)。記事の少なくとも1本は、IHRのウェブ ・サイトでオンラインで読める。 *ディトライブ・フェルデラー(Ditlieb Felderer)のポルノ的な反セム主義は、 いまだかつて書かれたものの中で、最も下品で胸糞の悪い嫌悪すべき代物である (疑問56番を見よ)。フェルデラーは歴史見直し研究所(IHR)が出版した最初 期の雑誌4冊に、5本の記事を書いている。そのうち1本は創刊号に掲載された。 *サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)は、ドイツにおけるナチズム とネオナチズムの広まりを追跡するという辛辣な作戦の一部として、偽の「極右雑 誌」を立ち上げた。雑誌の電話番号は、少数の地下活動中のゴリゴリのナチにのみ 教えられた。それによって、ナチ同士の接触が追跡できるだろう、と。そのすぐ後 に、IHRの機関誌の編集者マーク・ウェーバーが、この番号に電話をかけてきて、 予約購読を申し込んだ。つまり、ドイツのファシストの中核と、アメリカのホロコ ースト否定者、特にIHRの間には、緊密な連絡関係が確立しているのだ。より詳 細なエピソードがオンラインで入手可能だ。スヴォレイ他著の「ヒトラーズシャド ウ」(1994年)という本でも読むことができる。この本は、ウェーバーとの接触を 行なった潜入エージェントとの共著によるものである。 (三鷹注:邦訳書「ヒトラーズシャドウ」(ヤーロン・スヴォレイ、ニック・テイ ラー共著 尾島恵子訳 小学館) スヴォレイはイスラエル人で、個人的なボラン ティアとしてSWCの作戦に協力しました。ウェーバーのネオナチ疑惑については、 パンドラ#1124以降の三鷹と西岡さんのヤリトリも参考になるでしょう。そこに出 てくるロン・フューリーというのがスヴォレイの潜入捜査用偽名です) *ホロコースト否定者ジャック・ワイコフ(Jack Wikoff)は、白人パワーを示威 するデモ行進をニューヨーク北部地方で組織している。ワイコフはマーチン・ルー サー・キングの誕生日を「Marchin' Lootin' Coon Holiday(黒んぼ略奪行進記念 日)」と称し、ポスターを発行した。黒人とユダヤ人の露骨なカリカチュアが「お 前らの怒りはどこへいった、白人アメリカよ?」と問いかけているポスターだ。ワ イコフは少なくとも7本の書評と1本の記事をIHRの雑誌に書いている。IHR のホロコースト・カレンダーによれば、ワイコフは大学の学生にホロコースト・リ ビジョニズムを講義している。 *黒人、ユダヤ人、アジア系その他のマイノリティーの「再配置」を主張する「白 人向上国民協会」(NAAWP)のような団体の主要なテーマの一つは、ホロコースト 否定である。 (三鷹注:NAAWPは白人至上主義の極右組織。彼らの言う「再配置」(relocation) というのは「排斥」と同意。要するに、白人以外はアメリカから出て行け、という 主張です) *レーベン・ログスドン(Reuben Logsdon)という名前のスキンヘッドの若い人種 差別主義者が立ち上げたウェブ・サイトには、クー・クラックス・クランのインペ リアル・クラリッフがKKKに関する質問に答える、というようなページがある。 ログスドンは、ホロコーストを否定する多数のウェブ・ページをも開いている。と はいえ、ログスドンは自分が、事実、ホロコーストがあったことを疑ってはいない、 と公に認めている。−−彼は、人種差別主義者たちを楽しませるために、ホロコー スト否定の材料を提示しているだけだ、と。両者は無関係なのか? ログストン氏 にそのことを尋ねてみよう! (三鷹注:KKKは「見えない白人帝国」とかいうものを主張し、その帝国権力の 行使と称してユダヤ人にコールタールを塗ったり、黒人をリンチ殺したりしてきま した。Imperial Klaliffというのは、その「帝国」内部の階級名でしょう) *マーク・レミール(Marc Lemire)という名前の若者は、以下のようなテープが オンラインで入手可能だと、自分の電子掲示板システムで広告している。エルンス ト・ツンデル、デビッド・アーヴィング、フレッド・ロイヒターといった「リビジ ョニスト」の演説、アドルフ・ヒトラー、「ホワイト・アリアン・レジスタンス」 のリーダーであるトム・メッツガー(Tom Metzger)、ジョージ・リンカーン・ロ ックウェルの演説、そして「国家社会主義党の音楽と演説」。 *もう一人の若者、ミルトン・クレイム(Milton Kleim)と名乗る人間は、ホロコ ースト否定者であるのみならず、自称・国家社会主義者(すなわちナチ)でもある。 クレイムは彼が「国家社会主義党FAQ」と称している代物の著者である。そして クレイムは、仮にヒトラーが600万人のユダヤ人を殺したとしても、自分はヒトラ ーを賛美し続けるだろう、と主張している。  (ホロコースト否定と反セム主義やナチズムとが密接に関連していることを示す) 実例が、あとどのくらい必要か?  ニツコーは、ホロコースト否定者の全員が、反セム主義者もしくは人種差別主義 者(あるいはその両方)だと主張するつもりはない。だが、明白で重要な相互関係 など無いという主張は、ばかげている。  より重要なのは−−そして、どんなに強調してもしすぎることはないのは−−我 々は、こうした人々が人種差別主義者であり反セム主義者だという理由で批判して いるのではなく、彼らが間違っているから、そう指摘しているのだ。人種と民族性 についての彼らの意見とは無関係に、ホロコーストに関して彼らは間違っている。  ホロコースト否定を支持するとされる研究者が「ユダヤ人研究者の間でも増えつ つある」というのは、おそらくは、MITのノアム・チョムスキー教授(Noam Cho msky)のことを指しているのだろう。IHRは、自分たちの馬鹿げた学説をチョム スキーが支持していると主張する傾向があるが、これは嘘である。チョムスキーは、 フランスの「リビジョニスト」フォーリソンの言論の自由を擁護した。だが、チョ ムスキーは、ホロコースト・リビジョニズムそれ自体は完全に否定している。  この問題について、チョムスキーは以下のように書いている。    私の意見はきわめて明快に述べられている。ホロコーストは、人類史上もっ   とも過激な残虐行為であり、もしも我々が、ナチ犯罪を否定したり微罪化しよ   うとしたがる人間との討論の舞台にあがろうとするなら、そのことだけでも、   我々は人間性を失うことだろう。  さらに、フォーリソンや他のホロコースト「リビジョニスト」の著作についての 意見を求められて、チョムスキーは以下のように答えている。    この問題の事実に関しての真正のホロコースト歴史学者(ヒルバーグ、バウ   アーその他)の結論を疑う、いかなる理由も私にはない。  ヒルバーグとバウアーは、よく知られたホロコースト歴史学者である。両人とも 多数の本や論文を書いている。言うまでもなく、二人とも、数百万人がガス室で殺 されたことを疑ってはいない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *三鷹の感想  否定者でありながらネオナチではない、という実例は他ならぬ西岡昌紀さんでし ょう。彼がネオナチでも、人種差別主義者でも無いということは、1年近く「論争」 を行なってきた三鷹が保証します。  ただ、西岡さんの場合は、他人の言うことを簡単に信用しすぎる、という傾向が あります。元極右であるIHRのウェーバーが「転向した」と自称しているという 理由だけで、彼へのネオナチ疑惑は中傷だ、と信じ込んだり、否定説&ネオナチの 共存が誰の目にも明らかなツンデルのような例でも、リンケージを意図的に無視し たり、軽視したりする傾向ですね。(この二人とも、西岡さんは電話等で直接コン タクトをとっています)  ちなみに、西岡さんは三鷹同様「非白人」であり、ネオナチや人種差別主義者が 蔑称するところの「黄色いサル」の範疇に入るわけです。彼らから見れば、さぞか し道化て見えることでしょう。  前に和久井映見が主演した「ピュア」というTVドラマがありました。政治的な 話題に関しては西岡さんも、あのドラマと同じような意味で「ピュア」な人なんだ ろう、と三鷹は勝手に想像しています。