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#1316/1770 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/16 21:30 ( 80) 「66Q&A」批判の効能と使用法          三鷹板吉 ★内容  三鷹自身、1年前の自分を思い出しながら書いているのですが、日本の世間一般 のフツー人の「ホロコースト」に関する知識って「ヒトラーがガス室を使ってユダ ヤ人を虐殺した」と一行で言えてしまう程度なんですよね。その一行知識があって も「ホロコースト」という言葉を知らなかったりする。単に「第2次大戦中にそん なことがあった(らしい)」てなレベル。  そんなフツー人に対して、ホロコースト否定者は、たとえばこんな風に囁きかけ ます。「知ってますか、ユダヤ人を殺したっていわてれるガス室など、実は存在し なかったんですよ」と。一番センセーショナルな主張を最初に掲げるのが、否定者 の手口です。「何を馬鹿なことを」と思いつつ、今まで聞いたこともない「新見解」 に興味をそそられる、というのがフツー人の反応でしょう。そこでレスポンスを返 して、否定者との「論争」が始まる。でも、フツー人サイドの根拠は「読んだ本に そう書いてあった(ように記憶する)」てのがせいぜい。対して否定者は、物証の 薄弱さ、証言の矛盾、「科学的鑑定」など、微に入り細をうがった「解説」を用意 しています。フツー人はとうてい反論などできやしない。「論争」というよりも 「講義」に近い状態で、フツー人の知識欲が旺盛ならば旺盛なだけ、乾いた土に水 が滲み込むように、ホロコースト否定説が注ぎ込まれていきます。  例えて言うなら、法律にうといお年寄り相手にインチキな「消防法」をタテに要 りもしない消火器を売り込む詐欺師の手口です。お年寄りが「法律を守りたい」と 思えば消火器を買うしかないという「結論」に至る。そのように巧妙に仕組まれた 「解説」が、あらかじめ用意されているのです。  ホロコースト否定者は、「本当のことを知りたい」というフツー人の知識欲を悪 用するのです。フツー人が知る由も無ければ学ぶ機会も無かったデティールに入り 込んだ「解説」を駆使して、あらかじめ用意された「結論」へと相手を追い込んで いく。三鷹自身、ハマりかけた経験を基に言ってるんですが(苦笑)  さて、どうすれば消火器売りから消火器を買わなくてすむのでしょうか? 方法 は二つあります。一つは最初から相手にしないこと。消火器売り=詐欺と決めつけ て、絶対にドアを開けないことです。もう一つは、消防法その他に関する知識を十 分に肥して、詐欺師の口上を論破すること。詐欺師がよく使う手口を学ぶのも有効 です。例えば、消防署員でも関係者でもないくせに、「消防署の方から来ました」 と言い、嘘を見抜かれると「消防署がある方角から歩いてきたのだ」と強弁する類 の。  ホロコースト否定に対しても同様です。アカデミズムの学者たちの「定説」と矛 盾する「異説」に対しては、問答無用で「嘘」と決めつけ、シャットアウトすると いうのが一つの方法。こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズ ムはアカデミズムたり得るのです。逆に言えば、もしもいくらかなりとも可能性が ある「異説」だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼 が主張して、学者間で「論争」が発生しているはずです。いまだ論争中の問題は 「定説」とは言えません。  歴史学において、ホロコースト否定の可能性はゼロです。まったく蓋然性があり ません。  もう一つの方法は、否定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破する こと。否定者の詭弁論法を見抜くことでもあります。これがすなわち、三鷹がここ で紹介した、ニツコーによるIHR「66Q&A」批判の「効能」なのです。  元が比較的簡単な「Q&A」集にすぎないことから、そんなものを批判しても真 の意味での反論にはならないのではないか、と思う方もいらっしゃるでしょう。当 然の疑問だと思います。でも、実際はこれこそが一番有効な批判なのです。  ホロコースト否定者の大半は、歴史学をキチンと学び研究を突き詰めた結果「定 説」とは異なる結論に到達し、自分自身の学問的誠実さをマットウせんがために否 定説を唱えるに至ったのではありません。政治的理由で嘘と知りながら否定説を流 布しているか、流布された否定説をうのみにしているかのどちらかです。前者にと っては、フツー人が一読して納得する、分かりやすく簡便な「Q&A」こそがもっ とも強力なプロパガンダの手段であり、後者に至っては、そのプロパガンダをオウ ム返しに繰り返しているだけなのです。この「66Q&A」に含まれたIHRの主張 こそが、ホロコースト否定説の骨子であり、全体像を示すものです。  さて、以下は「使用法」です。三鷹がアップした「66Q&A」を全部ダウンロー ドして、一個の文書ファイルとしましょう。「効能」試験用の試薬としては、西岡 さんのMSGが適当でしょう。JBOOKSの5番ボードには、西岡さんが「マルコポー ロ」に書いた記事の全文が登録されていますし、6番ボードでは参加者諸氏を相手 に「否定説」を開陳し「論争」を展開しています。それらを読んで、気になった箇 所について、キーワードを拾い、「66Q&A」を検索してみましょう。そうですね、 「チクロンB」あたりから始めてみてはいかがでしょうか。それと西岡さんの主張 とを比較検討すれば、結論はおのずと明らかだと思います。  当ボードにアップした翻訳に関しては、意訳誤訳迷訳等は、すべて三鷹に責任が あります。原文を参照したい、という人は、インターネットでニツコーのページに 直接確認して下さい。さほど量が多くないのなら、三鷹にメールで問い合せて下さ れば、その部分の原文をお送りいたします。参照の結果、誤訳を指摘して下されば、 感謝いたします。よろしゅうに。