「萌え」るな「燃え」ろ、ユーアーローリングサンダー!

(2001/01/25)

 まんが週刊誌では、ここ数年モーニングとヤンマガを毎週欠かさず読んでいる。仕事とは別に一読者として、この2誌が一番おもしろい。両方とも講談社なのは、単なる偶然でしょう。

 そのヤンマガで、唯一読むに耐えない連載がある。ファンが怖いから直接名指しは避けるが、少女まんがで超有名な作者(グループ)の作品だ。「パソコンが美少女の形状をしている仮想の現代日本」ちう、あからさまに無理無理な舞台設定。貧乏でパソコンが買えない主人公が、粗大ゴミ置き場に捨てられていたパソコン=美少女を拾ってきたら、それが実はとんでもないマシンで…ちうストーリーだ。パソ美少女を起動させるには、股間(に相当する部分)に指をぐっと突っ込んで、スイッチを押す必要がある…らしい。てなくだりを連載第一回に読んで、先を読み続けるのが嫌になった。

 作者(グループ)が、ヤンマガ読者(ちうか、男性誌の一般読者)をどのように評価しているか、実によく分かる。で、彼女らの思惑通りに「萌え」てしまう読者が相当数いるのだろうな。

 ちなみにこの「萌え」ちう言葉もスッゲー嫌。

 「萌え」ちうのは、いつから使われ始めた言葉か分からんが、そもそもは「燃え」だったと思う。「燃えるシチュエーション」とか「燃える展開」とか。まんがで言ったら、島本和彦の「燃えよペン」みたいなテイストだ。高揚する気持ちをごおっと燃えあがる熱い炎に託すイメージ。

 その「燃え」が「萌え」になって、炎の「熱さ」が湿度高い「暑さ」に変質した。キノコの栽培や麹室みたいなジメっぽいイメージだ。まんがの描き文字的に言えば、「燃え」がぶっとい筆文字の「うおおおっ!」なら、「萌え」は軟弱ミリペンの「てへ」って感じ。蒸し暑くジメジメした温室の中で、キノコが生えるようにゆるやかに勃起するチンポ、ちう感じだ。当然、短小包茎であり、恥垢がたまりまくっている。その臭さには、パソコン美少女ですら熱暴走を余儀なくされることだろう(笑)

 ちなみに、三鷹が考える「燃える展開」の一例は、以下のようなものである。

 舞台はアメリカ。テキサスかニューメキシコあたりの田舎町。主人公はベトナム帰還兵。ベトナムで捕虜となって、ファッキンコミーに何年もわたって拷問されまくり、心がちょと壊れている。
 帰還した主人公は、故郷の町で英雄として迎えられ、でっかいキャデラックに乗せられてパレードが行われる。彼には妻子がいるが、夫が戦死したと思いこんだ妻は、何年も前から町の保安官とできちゃっている。幼い息子は保安官を「パパ」と呼んでいる。
 その保安官は、主人公の幼馴染で親友である。主人公に不倫をわびる保安官。うつろな瞳で笑って許す主人公。
 さて、国境の向こう、メキシコからギャングがやってくる。狙いは主人公が政府から貰った報奨金だ。妻子は無残に殺される。金のありかを白状しろ、と主人公はギャングに拷問され、右手をディスポーザーで砕かれる。彼の壊れた心に、ベトナムでの記憶がダブる。
 病院で、砕かれた右手がわりの義手をつけ、リハビリに励む主人公。義手の指で、ちらばった煙草を箱に戻す練習を繰り返す。保安官は主人公に言う。復讐など考えるな、犯罪者は法律がさばく、と。
 しかし、法律は国境の向こうには届かない。保安官は単身メキシコに乗り込み、ギャング相手に自殺に等しい決闘を挑むが、多勢に無勢、なぶり殺しにされる。
 その報せを聞いた主人公の瞳に光が戻る。ベトナム時代の軍服を着込み、キャデラックに乗る。車のトランクには、軍隊からガメてきた武器が満載されている。国境を越え、ギャングの本拠地に乗りこむ主人公。身障者に何が出来る、とせせら笑うギャングを、圧倒的な火力で全滅させる。義手で煙草を箱に戻すリハビリ訓練は、弾丸を拳銃に込めるためであり、ギャングのボスとの最後の勝負で、見事に役に立つ。

 以上「ローリング・サンダー」というアメリカ製C級キンタマ映画の、いい加減な粗筋である。ちなみに「キンタマ映画」というのは、三鷹の最大級の褒め言葉だ。「ロッキー」シリーズを熱愛していることで有名な「燃える」好み先生にも、たまにはこのくらいにキンタマでかい「燃える」ドラマを描いてほしいものだ。


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