西尾幹二vs小林よしのり&西部邁「台湾論争」
(2001/03/04)
「正論」2月号から4月号で、西尾幹二と小林よしのり、西部邁が「台湾は親日か?」てなテーマで論争を展開している。「論争」ちうか、西尾の論文に小林がかみつき、西尾が反論し、西部が小林の助っ人に乗り出した、ちう構図か。ちょと気になってバックナンバーを読み返してみた。
西尾の主張は「台湾は親日とは限らない」ちうことで、金美齢など在日台湾独立派の主張がイコール台湾の日本観だと思い込むと裏切られる、てなことを書いている。それに対して、小林&西部は「本省人vs外省人など台湾の言論が一様ではないのは常識。親日を表明している在日台湾独立派を批判するのは利敵行為で仁義を欠く」てな批判を展開している。
自分が読んだ限りにおいては、西尾が特におかしなことを言ってるようには思えない。西部&小林の論調の方が、逆に妙にうがちすぎてて変な感じ。想像するに、金美齢など在日台湾独立派と西尾とがギクシャクしてて、西部が金側から援護射撃をした、その口実に「正論」2月号の西尾論文が使われた、ちうことじゃないだろうか。「SAPIO」のゴー宣を読むと、今回の件については西部が小林のブレーンを務めているのが如実に分かっておかしい。いやあ、政治だねえ(笑)
その小林は、「ゴー宣台湾論」の件で、台湾当局から「入境禁止」を食らったそうだ。ゴーマニズムは政治的妥協とは無縁だろう。良くも悪くもこども性格の小林が逆ギレして「台湾などもう知らん。勝手にやってちょ」と言い出す可能性も無いとは言えまい。
自分の実感としては、西尾の「台湾は親日とは限らない」に一票。小林&西部は「そんなの言われなくとも分かってる」と言うが、自分も含めて一般読者向けには、十分有効な指摘だと思う。中韓からの罵詈雑言を聞かされた後で、金美齢の論文とか読むと、思わずほろっとして「台湾大好き」と、ついつい思いたくなる。特に金は「言葉はちょと厳しいけど本当は優しいおばあちゃん」てなキャラクターイメージがあり、三鷹は正直弱い。
でも、しょせんは外国。「同じ同じ」とすりよるのは、民族文化の差を無視した悪しき同化主義と紙一重だ。
三鷹自身が体験した「屈折した台湾」について書いておこう。三鷹が初めて台湾を訪問したのは1989年。天安門事件の真っ最中だった。あるまんが家と二人で、目的は中国拳法の取材だった。パッケージツアーを利用した。中正国際空港で我々を出迎えたのは初老の男性ガイドと20代の男性運転手で、この男4人で台北のあちらこちらを回った。ガイドは皇民化教育を受けた世代で、日本語完璧。運転手は日本語勉強中で、仕事の合間合間に学習テープを聞いていた。
空港から台北市内に向かう車内で、ガイドはいきなり「これから、若い女性がたくさんいるところにご案内します。一緒にお酒を飲んで、楽しくお話してください。気に入った女性がいたら…」云々と始めた。男二人の台湾観光ちうことで、目的は女以外あるまい、と思われたのだろう。丁重にお断りして、翌日以降の取材日程を打ち合わせた。自分の父親のような年齢の男性から、いきなり生臭い話をされたという、何とも言えない不快感と違和感が残った。
ところで日本人観光客のパックツアーの場合、絶対欠かせない訪問場所があり、故宮博物院と中正紀念公園の巨大蒋介石像だった。中華民国政府の方針なのだそうだ。そこで日本人観光客はガイドから、決まり文句のお説教をされる。「日本人は蒋介石閣下に3つの恩があります。一つは敗戦国である日本への賠償金請求を放棄したこと…」云々というものだ。我々もしっかりと聞かされた。
買春勧誘から「3つの恩」まで、妙に仮面じみた表情を通していたガイドが、別人のように柔らかな表情になったのは、無理を言って案内させた台北市内のお茶屋さんでだった。当時は分からなかったが、このガイドは、間違いなく本省人だろう。
現在の台湾観光ツアーでも、このようなことがあるかどうか、寡聞にして知らない。往年の売春エリアである、台北郊外の怪しい床屋さんは、まだ健在のようだ。つい数ヶ月前の台湾取材の際、台北駅から空港へのリムジンバスに乗ったところ、床屋さんエリアを通過した。同行の女性作家に質問されて、知っている限りを説明したが、何か不審な目で見られた。あのー、三鷹は台湾に限らず外国で女を買ったことなど、一度も無いんですけど…(FO)
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