世界は「100人の村」じゃねえ!

(2002/01/29)

「世界がもし100人の村だったら」(マガジンハウス)がベストセラーだ。なんでまあ、こういう下らない本が次々に売れるんだろう。「葉っぱのフレディ」やら相田みつをやら(笑) みんな、よほど心が深く傷ついているんだろうな、こんなモンに「癒し」を求めるほどに。

 現実の世界はもちろん63億の諸国民、諸民族、諸宗教のゴッタ煮だ。とりあえずは10億ぐらい人間が減ったほうが世界がスッキリすると思っている人間がそこかしこにいて、口々に文句を並べ立てている。10億減ったあとの世界が100人の村だったら、彼らの気持ちはよりいっそう癒されることだろう。

 あるいはこう言ってもいい。世界がもし100人の村だったら、彼らが住んでいる世界は小学校の体育館ぐらいの大きさだ。いや、実際それより多少は大きいかもしれないが、住んでいる100人の気分としてはそんなところだ。体育館の外に人間の住める世界は無く、漆黒の虚無が果てしなく広がっている。脱出は不可能。そんな体育館に一生閉じ込められていたら、息苦しさに耐えられなくなる連中が10人や20人出ても不思議はないだろう。

 三鷹だったら別の本を読むように勧める。人類絶滅もののSFだ。ウィンダム「トリフィド時代」、ヴォネガット「猫のゆりかご」、ディッシュ「人類皆殺し」、バラード「結晶世界」。国産なら、小松左京「復活の日」、筒井康隆「霊長類南へ」てところか。読めば間違いなく人間(というか人類)への愛情が湧いてくる。

 つーか、本など読まずにさっさと寝て、朝6時に起きて5キロほど走ってみろ。とりあえずは気分が変わる。一週間も続ければ、ものの見かたが変わり、一年続ければ思想が変わるぞ。


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