朝の教育TV(3)
(99/06/25)
7時56分からは「英語で遊ぼ」。幼児向けの英語教育番組だ。
三鷹は、いわゆる「早期英語教育」は不必要だと思っている。母語である日本語を満足に話せないこどもに、英語を教える意味があるのだろうか? 本当に必要だと思うなら、親が英語で話しかけ、バイリンガルに育てればいい。それが出来ない親(ゆえに英語コンプレックスを抱いている)が、こどもに英語教材を視聴させ、口真似に繰り返すのを「発音が本格的! まるでネイティブのヒトみたい」と喜び、自らのコンプレックスを補償した気になっている、というのが情けない実態ではないか。で、こどもは親との親密な言語的コミュニケーションを通じて知能や情操の基礎を形成すべき時期に、親とはコミュニケーション不能な言葉を学ばされながら育っていくワケだ。簡単な英語を話せる替わりに、もっと重要な何かを欠落したこどもが育つのではないか? グレるぞ、きっと。
……という懸念は、それはそれとして(笑)、「英語で遊ぼ」はなかなか楽しい番組である。「教えよう、学ばせよう」というスタンスではなく、遊びや歌や体操の中に自然に英語が交ぜられていて、理解できればそれで良し、理解できなくとも、番組そのものを楽しめるように構成されている。
「ハッピーランド」という「町」を舞台に、キャラクターは、おねえさん、おにいさんと着ぐるみキャラという、教育TVの基本パターンを踏襲している。おねえさんは「クリス」と呼ばれ、魔女っ子という設定。演じているのは、あの(笑)クロード・チアリの実娘なんだそうだ。おにいさんは「ダリオ」。「男の新米魔法使い」だとか。こいつの設定が異常に凝っていて、イタリア人の血を引き、袴をはき、寿司職人をやっているというもの。おとなから見れば「カルト」、こどもには何がなんだか分からんだろう。
着ぐるみは3人で、「ペッパー」というピンク&黒縞のトラの男の子。「メイ」という茶色いウサギの女の子。「エディー」というハンプティダンプティみたいなロボット。このエディー一人だけは、英語しかしゃべらない。ペッパーはイッパシにつっぱってて、メイはおしゃれだ。二人とも都会の黒人の子のストリートファッションみたいな服装。これは「セサミ・ストリート」を意識しているのかもしれない。
凝りすぎた設定は、着ぐるみチームのほうも同様。メイはウサギなのに耳が短く、ジョークのネタにされて怒ったりしている。そういう特殊な種類のウサギなのだろう。こどもには分からんと思うが。エディーは一種の翻訳機械らしいが、活躍したのは三鷹の見た限り一回だけ。確かメイの文通友達が郵送してきたテープレターを翻訳したのだが、韓国語から日本語への翻訳だった。どこの国のお話なのだろうか? なんともカルトで理解に苦しむ。
「カイ&パッチ」というショートアニメのコーナーがあり、これは全部英語。カイという男の子とパッチという犬、それにカイのガールフレンド、カイの妹の赤ちゃんが主なキャラクターだ。それだけなら「クレヨンしんちゃん」と変わらない。赤ちゃんが実は超能力者で、夜中に家じゅうの家電製品をパレードさせたり、兄貴を宙に浮かせたりするというのが、カルトなところ(笑)
一見して驚くのが「ワークアウト」なる体操のコーナー。体操のおにいさんが、体操の合間に、上海雑技団もびっくりの軽業を披露してくれる。彼は王健という中国人で、実際にナントカ雑技団のメンバーなのだそうだ。この3月まではケイン・コスギがこのコーナーを担当していて、アメリカンNINJAの必殺技を存分に見せてくれていた。
どうでもいいが、三鷹はこのケイン・コスギが小学生時代、父のショー・コスギと共演した「リベンジ・オブ・ザ・ニンジャ」という、カルト度300%のC級アクション映画のLDを持っている。金閣寺が映って「ドジャーン」とドラが鳴り、「TOKYO JAPAN」とのテロップが入るオープニングからラストまで、「エキゾチック・ジャパン」満載。日本人は、これを見て、腹を抱えて笑うか、怒るか、あきれるかの3種類に分類できるようだ。
さて、三鷹は教育TVの「おねえさん」にはきわめて好意的なのだが(笑)、「クリス」はちょといただけない、というのが正直なところ。失礼ながら、カメラの前で身体を動かしてみせる仕事に従事しているヒトとしては、ちょと節制が足りないのでないか。身体がゆるんで見える。「おねえさん」というよか「おばちゃん」だ。彼女の実年齢とは別に、全体の印象として。それなり子が着れば可愛らしい魔女っ子のコスチュームも逆効果で、キャバクラのコスプレじみて見えてしまう。着ぐるみのメイのほうがずっと可愛い。三鷹が幼少時、手塚治虫先生の「W3」にハマった際に、脳味噌にばっちりインプリントされたウサギコンプレックスを、実に心地好く刺激してくれるのだ(笑)
(つづく)
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