<契約社員>期間雇用労働者

<契約社員>期間雇用労働者

期間で雇用されるのはパートタイマーなども同じなのですがそれらを含め,契約期間のある労働者と思ってください。一例をあげますと,契約社員,日雇い,臨時工,季節労働者,期間社員,アルバイト,パート,嘱託社員,等と呼ばれています。
期間の定められている労働者の特徴は主に,退職にかかわる問題です。これはすべての期間を定めた労働者共通の問題です。ここでは主にやめさせられる場合に付いて述べます。自分から辞める場合は「退職」で詳しく述べます。
期間雇用労働者は,言ってみれば,会社としては臨時的,短期的雇用を予定しているからです。
一定の事業の完成まで雇われる人もいます,この人達も又,変わった契約関係という事ができます。
これは,事業の完成を目的とした契約関係であるところに特徴があるからです。

○契約

解約期間は最長で原則1年とされています(法14条)15※。が、次のいずれかの契約に該当する場合はその期間を最長3年とすることができます。
いわゆる開発のための研究職、開業屋、高齢労働者などです。
期間の定のある契約はお互いに途中解除が困難になっていますから注意が必要です。

(1)新製品、新技術若しくは新役務の開発又は科学に関する研究に必要な専門的な知識、技術又は経験であって労働大臣が定める基準に該当する高度なものと認められるものを有する労働者が不足している事業場において、当該高度の専門的な知識、技術又は経験を有する労働者を新たに確保するために締結する労働契約

(2)事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されているものに必要な専門的な知識、技術又は経験であって労働大臣が定める基準に該当する高度なものと認められるものを有する労働者が不足している事業場において、当該高度の専門的な知識、技術又は経験を有する労働者を新たに確保するために締結する労働契約((1)に掲げる労働契約を除く。)

(3)60歳以上の労働者と締結する労働契約((1)及び(2)に掲げる労働契約を除く。)

で,この契約は期間の満了時に解約できますが,特に解約の意思表示をしない場合にはほっておいても同じ内容で契約が更新された事になります(民629条)。

一定の事業の完了を目的として,その事業の完了まで雇われる人達がいます,建築現場の技術者などがこれに当たる場合があります。この人達は期間が定まっている限り3※1年を越えてもかまわないとされています。

後から雇用区分が自分が思っていた物とは違うという話しは多いです。就職するに当たっては,どの雇用区分に自分があたるかは後で争いを避ける為にも,契約のときにきちんと確認しておかなければなりません。

○雇用か請負・委任か?確認が重要!

トラックの運転手の場合で,基本的に積み込と配送しかせず,自分でトラックを持っている場合で契約も運送請負の場合で,報酬計算もその様になっている場合,はたから見るといかにもその会社の運転手と見える場合があります。自分でもそう思っていたりして契約を切られた場合争いになることがあります。しかしこの場合は雇用契約ではない事が多く,労働法上の保護は受けない事になります。つまり,零細下請け業者への委託と言うことになる場合もあると言うことです。
また,保険会社にある委託外務員の様な物もあります。これは保険契約の締結を委託されて,どの様にどこを回るかは自由に決める事ができて,給与の計算も締結契約数に応じた歩合制であって,同時に他の(同業を除く)企業などに雇傭される事も禁止されておらず,いわゆる使用従属関係が無いことがあります,代理店契約という場合もあります。会社がその様に労働者を扱っているときは,給与と書かれた封筒に入っていたとしても,社会保険の控除が無かったり地方税の控除が無かったりします。
逆に,同じ保険外務員でも保険会社に使用される労働者であることがあります。この場合は普通,歩合制でも基本給部分が多く契約当たりの取り分も少なく人事考課が行われ,担当地域を限定されたり,出勤や退社を管理されたりします,社会保険の控除等もあり,契約そのものも雇用契約となっているところが多いです。

このように同じ職種でも雇用で労働法上の保護を受ける場合があったり,個人として請負契約や代理契約などで労働法上の保護を受けなかったりします。社員が一人の会社の社長という扱いなのですね。

○就業規則

就業規則は10人以上を常態として雇用する事業所は作らなくてはなりません。契約社員やパートタイマーだけを適用除外にしてその分を作っていないと,「作成義務違反」法89条となります。この場合この就業規則の適用を受ける短時間労働者の意見を聞くべき努力規定(短時間労働者法7条)があります。

○契約期間の終了

原則として契約期間が終了しますと雇用関係も終了します。しかし,前に述べました様に特にお互いに何も言わなければ契約は自動的に更新されます。ですのでどちらかが更新拒絶(辞めるとか,もう働かなくて良いとか)をすれば契約は終了します。
自分から辞める場合に付いては「期間の定めのある契約の終了」のところで詳しく述べます。
今回は労働者の意思に反して契約の更新拒絶(雇止)を受けた場合に付いて述べたいと思います。

原則として契約期間が終了すれば契約の解除が出来ますが,契約時に「契約は更新されていつまでも働いてもらえるから」と言われていたり,更新も何回も何回も自動的にかあるいは簡単な手続で更新されていて,過去に更新拒絶の例など無かった場合,労働者は今回も更新されるであろうと期待をしている事も多く,この期待を裏切る事は権利の濫用にあたる可能性があり,「あたかも期間の定めの無い契約と同じようになっている事」も多いです。そこで,その様な場合は期間のある労働者にも,裁判所は「解雇権濫用法理」4※を類推して雇止は制限される場合があります。「期間の定めのない契約と同じようになっているか」は個別にいろんな事を具体的に判断する為一概には言えません,裁判所に判断してもらう必要があります。6※
また,会社の契約時の説明や今までの状況や拒否の理由によっては1回目の更新でも更新拒否(雇止)は認められない場合もあります。7※

整理解雇の場合は会社に労働者を減らすための必要性があるので,この「解雇権濫用法理」の類推はあまりされません。ですので,短期的・臨時的雇用関係を予定している期間雇用者が先に雇止される可能性は高く,裁判所の判断も,それで良いであろうとしています。5※

今回の期間雇傭労働者は広い概念です。この中には普通の期間契約社員の他にほとんどの場合パートタイマー,アルバイトなどが含まれます。
次回はパートタイマー請負労働者など細かい物を見てゆきましょう。
h o m e n e x t
このページに関する質問意見は naoki-k@ss.iij4u.or.jp