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其の壱 扉を閉める
小学生のときの夢の話。 ドアの向こうでUさんの悲鳴と、猛獣が獲物を貪る残忍な音が・・・聞こえたわけではなかったと思う。あまり憶えていないが、たぶんドアを閉めたあたりで、目が覚めたんだと思う。 覚醒して感じたのは、きっと、彼女を見殺しにしてしまった自責の念と、謝罪の気持ちだったろう。翌日、学校で実際に会ったとき、謝るべきかどうか、ずいぶん真剣に悩んだように思う。もちろん何もしなかった。ただ、心の中で「ごめん」とつぶやくだけで。 |
ときどき、この夢のことを思い出す。そして思うのは、自分のしたことへの反省ではなく、どうして犠牲者がUさんだったのか、ということ。
今年(2005年)の正月に帰省した折、たまたま思い出して、何となく小学校の卒業アルバムを引っ張り出してみた。懐かしい顔が並んでいる。いまでも付き合いのある数人を除いて、ふだん思い出すことのない級友たちの顔と名前を確認しながら、ノスタルジックな気分に浸る。 最後のパラグラフだけ、いま創作したものだが、それ以外は本当の話。今度、本当に卒業アルバム見てみようかな。それでUさんがいなかったら、どうしよう。 |